伸縮

無垢の木は周りの環境に合わせて伸び縮みしています。自然な環境の中では、1年間を通して乾燥している冬場には縮み、湿気が多い時期には伸びる。その差は、幅900mmのテーブルであれば5㎜以上。なので、無垢材で家具をつくる時はその事を考慮しなければならないんです。

写真はテーブルの裏側。脚部と天板を固定するコマ止めという方法。今回はテーブルと同材の木製のものを製作しましたが、金物を使用したりもします。この他にも構造に合わせて他の方法を使うこともありますが、いずれにしても大事なのはしっかり固定をしつつ木の伸縮にも対応できるようにすること。これをしないと、無理な力がかかって割れてしまったり、変形してしまうこともあります。

写真のものの場合、コマを差し込む穴を幅方向に動けるように長くすることで対応。あまり覗くことのないテーブルの裏側にもこんな工夫がされています。

家具屋さんならたいていみんな、無意識に家具の裏側をのぞきこんだり、外食したときのテーブルの裏側を触ってみたりということをやっているんじゃないかなと思います。そこには作り手の考え方がでているからかもしれません。